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<池田小事件>鎮魂歌に父の祈り 発生9年(毎日新聞)

 大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の乱入殺傷事件で、大けがをした男児の父親の作った歌が、阪神大震災の鎮魂コンサートを続けるピアニストによって演奏されている。曲名は「Wish Upon A Star(星に願いを)」。これまでに全国10カ所の公演で披露された。「この子の明日をまもりたい この子の命をまもりたい」。歌に託された、「命」への祈りがリレーされ、広がっている。事件は8日で9年となる。

 会社員の片木資裕(もとひろ)さん(47)=千葉市=の長男(16)は事件当時、2年生で、約3週間の大けがをし、心にも傷を負った。「長男を全力で支え、亡くなった児童8人にささげよう」。アマチュアのシンガー・ソングライターとしても活動していた片木さんは、事件の12年前に作詞作曲した「Wish」を事件の追悼集会などで弾き語りするようになった。「事件を風化させてはいけない」と04年にはCDをリリースした。

 そのCDを聴いたのが、ピアニストの金子浩三さん(51)=兵庫県尼崎市=だった。金子さんは95年の震災で建て替えたばかりの自宅の一部が壊れた。96年から全国で震災で亡くなった人の鎮魂コンサートを始めたが、会場確保などが難しく、04年ごろには休止状態だった。「自然に歌詞が染み込んできた。無念の死を遂げた人々への鎮魂の思いがよみがえり、活動の原点を見つめ直すことができた」

 04年末に尼崎市のクリスマスコンサートで、ピアノ曲に編曲した「Wish」の演奏を始めた。鎮魂コンサートでは、東京都渋谷区や、名古屋市など6都府県で披露。CDを買い求める観客もいた。昨年3月の尼崎市でのコンサートでは、片木さんを招き、一緒に演奏した。

 片木さんは、金子さんがこの曲を演奏していることに「曲がいろいろな人の手に渡ると、その人の思いが重なる。とても幸せなこと」と喜ぶ。【山口朋辰】

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